日本の出生証明書は大使館に届け出を済ませたが、インドの出生証明書を受け取りにデリー市役所(MCD)に行ってきた。病院で出産後、病院にアンケート用紙を提出し、その情報をもとに病院から市役所に自動的に届ける仕組みになっているらしい。そのアンケート用紙に、宗教や両親の最終学歴!!まで書かなきゃいかんのが驚いた。(いったい何のために?)
病院の届け出後、2週間で受け取れるとのことで、病院で届け出番号と市役所(グリーンパークにある南部地区出張所)の住所が書かれた紙をもらった。その紙を持って出生証明書を取りに行ってきた。
市役所には駐車場がなく、裏手のマーケットに駐車し徒歩で向かう。渋滞する車の横を、二人がやっとすれ違えるほどの50cm幅の歩道を歩き市役所に到着。
事前にMCDのHPで見ると、「東京(都)についで世界で2番目に多い人口にサービスを提供する役所」とのことで、期待していった自分が甘かった。グルガオンで外国人登録をした人ならわかるであろう、あの汚さ、雑さ。典型的なインドのお役所。本館に入ると薄暗い廊下に、薄汚れた壁。一気にテンションダウン。(ちなみに単身で乗り込んだ)。ドアの隙間から垣間見えるお偉方の部屋には、例の如く書類がうず高く積まれ探索不可能と思われ、わが子の証明書もその中にあるかと想像すると不安になる。
全員私服のため、誰が職員か客なのかわからないまま、手当たり次第に尋ねるも、ほとんど英語は通じない。でもこの建物ではないことが分かり、外に出て隣の建物に行くと、そこがCITIZEN SERVICE BEURAUという名前はたいそう立派な平屋。
中に入ると人でごった返し、口々に職員にまくし立てている。どういう手順で証明書をもらえばよいのか、全く不明。この時点で筆者は半泣き寸前であったが、負けじと職員に問い掛け、長い列に並ぶ。それにしてもさまざまな宗教、人種、階層が来ている。この事務所は出生/死亡証明書を受領する所。「生と死の前には人間は平等である」と変に感服したりして。
戸惑う異邦人を不憫に思ったのか、職員のおじさんが5人抜きで処理してくれた。出生届の登録番号をパソコンに打ち込み、その場で証明書を印刷。これなら書類がなくなる心配なし。Rs.20/通で2通もらってきた。苦労して手に入れた出産証明書。良い記念になるであろう。
40度を超える中、ACも動かずファンだけのむさくるしい事務所。壁には数年前から故障しているとおぼしき、順番待ちカウンターのディスプレーがむなしくほほ笑む。